映画についてのよけいな事 

練りきり作りましょう!

吹き替えの良さ、字幕の良さ NO.2

名吹き替えだと思う作品BEST5

   ※個人的意見です

 

1『トイ・ストーリー』シリーズ

 (1996年1作目日本公開 2010年3作目日本公開)    

 

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  ウッディ       

  唐沢寿明

 (英語版はトム・ハンクス

 

  バズ・ライトイヤー  

  所ジョージ

 (〃 ティム・アレン

 

これは、もう、奇跡の名作だと思います。こんな私でも、『トイ・ストーリー』を字幕と吹き替え、どっちで観たい?って聞かれたら、10回中、10回吹き替えを選びますもん。世間的にも、この二人のあのはまりように文句をつける人はいないんじゃないでしょうか。

最初、ウッディを山寺宏一さん、バズを玄田哲章さんで吹き替えしたそうですが、その後、「無名な声優より有名人を使った方が話題になる」という最近でも流行ってる戦略により、この二人で吹き替えしなおしたそうです。

キャラクターに合ってるから、という理由でなく有名人だからという理由がまずあった、という事でしょうか、でも、それで、あの合致率ですよ、しかも、唐沢さん、所さん両方とも、プロの声優さんじゃないのに、あんなにウッディとバズのキャラにピッタリで魅力的で物語を邪魔しない吹き替えができちゃうなんて……

このキャスティングを考えた人は後世に残る大功績をなしとげちゃったんではないでしょうか。最近は”有名人や俳優を吹き替えに使う商法”はほとんどどれも不評を買ってるように思いますが、この作品がある限り、プロの声優さんじゃないとダメ!なんて、ケツの穴のちっちゃい事言う人にドヤ顔できますもんね。

 

2 『モンスターズ・インク

   (2002年日本公開)

   

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   サリー 

   石塚英彦

  (英語版はジョン・グッドマン

   

   マイク 

   田中裕二 

  (〃  ビリー・クリスタル

 

田中さんの騒がしい陽と石塚さんの落ち着いた陰がちょうどいい味に仕上がってます。石塚さんはすごく上手だと思います。

声優さん達は確かに滑舌もよくて声もきれいなんだけど、アニメキャラクターやアニメのヒーローの声をやる事が多いからでしょうか、喋り方が大げさで舞台のセリフを聞いてるみたいに感じちゃうんです。吹き替えを見ると、実際あんなにハイテンションで活舌よく喋ってる人見たことない、って思います。アニメならいいんです。でも、人間だと何とも不自然なんです。

でも、石塚さんは全く自然で、全く大げさでなくて、普段私達が話してるような喋り方です。

洋画を吹き替える時に監督というものがつくらしいのですが、人そのままの自然さが好きな字幕派としては、アニメ以外は石塚さんみたいな普通の抑揚で話すように指導してくれればいいのに…と思います。

 

  

3『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ

  (2003年日本公開~継続中)

 

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ジャック・スパロウ 

平田広明

ジョニー・デップ

 

この作品はジャック船長以外はやっぱ、字幕の方がいいな、と思うんですが、平田さんのジャック船長があまりにも、はまってるので、吹き替えで観たいとよく思います。

平田さん、ジョニー・デップ以上にジャック船長のキャラにはまってると思います。

ジョニー・デップとは声質も全然似てなくて、ジョニー・デップはもっと低くて乾いた声でしゃべるんですが、ひょうひょうとしてて、常にどこかふざけた雰囲気を漂わせてるジャック船長の魅力がこの平田広明さんの高めの声で軽くてちょっとちゃらいしゃべり方のおかげで倍増されてると思います。

平田広明さん(声優、俳優、ナレーター 54歳)、幅広い役ををこなせる名優だと思います。ファンです。このジャック船長から『ONE PIECE』のサンジ、米国ドラマ『ER緊急救命室』のカーター先生まで、ジャック船長とカーター先生なんてキャラが180度くらい違います。ジャックと違って、若くて、真っすぐで青臭くて。で、このカーター先生の吹き替えも元の俳優のノア・ワイリーが話してるのを字幕で見るより、平田さんの吹き替えのカーター先生で見る方がよっぽどカーター先生らしいんです。

『ER』は他の吹き替えもみんな良くて、ドラマじゃなかったら、このBEST5の中に入れたかった程です。

 

4『ダーティハリー』シリーズ 

 (1作目1972年日本公開 5作目1988年日本公開)

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ハリー・キャラハン 

山田康雄

クリント・イーストウッド

 

ドラマ『ローハイド』(1959年~1965年 NET放映)から『パーフェクト・ワールド』(1994年日本公開)まで、クリント・イーストウッド(只今御年87歳)の吹き替えをつとめた山田さん、1995年に亡くなられるまで、他にもアニメの『ルパン三世』のルパンの名吹き替えで、みんなから慕われてますね。

勿論、抑揚の高い舞台のセリフみたいな喋り方はしません。そして粋です。イーストウッドの低い地声とは正反対だし、ハリーの暴力的なキャラや硬質な表情と相反するソフトな声なのに何故かぴったり合います。

ハリーが硬い表情で何か言っても山田さんの柔らかくて粋な喋り方のおかげでハリーがとても人間的に見えるからでしょうか。

粋と言えば、昔はアラン・ドロンの専属吹き替えで一世を風靡した野沢那智さん(2010年没)、他にもアニメで数々のテッパンの吹き替えがある方ですが、近年では、『ダイ・ハード』シリーズでのブルース・ウイルスの吹き替えが絶品と評されてるそうです。

ダイ・ハード』シリーズを吹き替えで観た事がなかったので、急いで、AmazonビデオかTUTAYAで借りようと思いましたが、字幕しかなかったり、別の俳優さんの吹き替えだったりで、観れませんでした。

 

5『ルーム』

 (2016年日本公開)

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ジャック 

菊池慶

(ジェイコブ・トレンブレイ 当時8歳)

WOWOWでこの吹き替えが流れていたので観てみました。

この作品の魅力は5歳のジャック少年役を8歳で演じた天才小役、ジェイコブ・トレンブレイ君の、自然な可愛さに尽きると思うので、もし、ジャックの吹き替えが駒っしゃくれて、又はかわい子ぶりっ子が鼻に突くようなだと、この作品そのものを好きになれないくらい重要ですが、菊池慶君という子の吹き替え、大丈夫でした。天才小役ジェイコブ君の自然な可愛さを壊してませんでした。他には『ファインディング・ドリー』(2016年日本公開)でニモの声を担当したそうです。

(吹き替えはほとんど見ないので誤解してるかもしれません)子役の吹き替えというと、わざとらしくて、逆に可愛くない事が多いように感じてるため、とにかくジェイコブ君の可愛さを台無しにしなかっただけで、名吹き替えに思えちゃいました。

 

 

あまり、吹き替え作品を見ない為、吹き替え派や両方派の方が見たら、内容の薄い記事になってるかもしれませんが、お許しください。

でも、今まであまり考えた事のなかった吹き替えの良さに気づきました。

役のキャラクターと吹き替えする人の相性がぴったりはまった時、その化学反応によって大きな魅力が生まれ、それが元の字幕作品を超えてしまうほど巨大な愛され力になるんですね。

 

NO.3に続きます。