吹き替えの良さ、字幕の良さ NO.3
吹き替えがいい人も、字幕で観たい人も、別に自分が好きな方法で観てればいいわけで、よく、ネット上で吹き替えのキャスティングにいちゃもんつけると、「吹き替えが嫌なら、観なけりゃいい」とコメントされて、いちゃもんつけた人が沈黙して終わりってなるんですが、でも世の中はそんなにシンプルではなくて、吹き替えでしか観れない場合もあります。
- 友人や家族と一緒に観に行く時、吹き替えを要望されて。
- TV放映された娯楽作品を家族と一緒に楽しみたい時。
- 田舎のシネマコンプレックスだと、公開後1週間たつと吹き替えのみになってしまい、『ワンダーウーマン』を泣く泣く吹き替えで観ました。
- 飛行機内で上映される洋画も吹き替えしかない作品があり、吹き替えで観たら、アニメに出てくる10代の男の子みたいな軽くて高い声で、特にかっこいいとは思わなかった男優さんを1年後に字幕で観たら、声や喋り方が男の渋さやセクシーさをきわだたせていて撃ち落とされてしまった。この人の魅力を1年も知らずにいたなんて、何てもったいない、と思った。
言ってもしょうがないけど言わずにいられない事
私は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2作が大好きで、それは主役のスター・ロードが定型通りの頼りがいのあるヒーローではなくて、ちょっと頼りなくて、子どもっぽくて、下半身のだらしない、とても新鮮なキャラクターだから、というのが大きくて、クリス・プラットがその、ちょっと頼りない二枚目半を、高めの声のちょっと舌ったらずな喋り方で見事に表現してるのですが、山寺宏一さん(56歳)が吹き替えしてるのを観ると、声だけすごーく大人で、滑舌もすんごく良くて、頭もすごいキレて落ち着いた感じの頼りがいの塊みたいなおじさんになっちゃってるんですね。
頼りないからこその魅力が消されちゃっているんです。
後、この作品はオフビートコメディ系なので、冗談言う時も、クリスは淡々とした顔でいきなりずばっと面白い事を言うんです、その間が面白さをつくるんですけど、山寺さんのしゃべり方はオーバーアクションぎみで、「今から面白い事いいますよー!」って雰囲気から冗談が出てくるので、面白さが半減しちゃうんです。
同じマーベル映画のヒーロー、キャプテン・アメリカは、逆に骨太でストイックで大人なイメージの役で、演じてるクリス・エバンス(36歳)も重みのある野太い声なんですが、吹き替えの中村悠一さん(37歳)だと、アニメのヒーローみたいな若くて軽い感じの声と喋り方で、こちらも、反対のイメージの吹き替えになっていて、違和感たっぷりなんです。
この若くて軽い方をスター・ロードに、大人すぎる山寺さんをこっちのキャプテン・アメリカにしてくれれば、よっぽど、合ってるのに…と思います。
私は映画の魅力って、登場人物たちの魅力がかなり重要だと思うんです。
そして人の魅力って声もしゃべり方も含めてだと思うんです。
プロの声優さん、実績のある声優さんを使っても、その役のキャラに合ってなければ、その役の魅力が台無しになってしまうと思うんです。
話題作りで、芸能人をキャスティングする以外の時って、どのような経緯で吹き替えキャストを決めるのか知りませんが、業績や知名度でなく、元の俳優さんの固定されたイメージだけで選ぶのでなく、その役のキャラに合った喋りができるどうかを重要視して選んで欲しい。
以上、こだわらない人にとっては全然気にならない話でした。
もし、山寺さんのスター・ロードが大好き!という方やキャプテン・アメリカの吹き替え最高!と思ってる方がここを覗いてしまったら……ごめんなさい。
このブログの認知度からするとその確率は限りなく低いのですが、
もしも、もしもこの記事を読んで不快になった、とか、全く反対意見だ!という方はコメント欄にじゃんじゃん反論や苦情を書いて下さい。
コメントをもらうのが夢なので大喜びしちゃいます。