映画についてのよけいな事 

練りきり作りましょう!

邦画『ミックス。』はそれ程面白くなかった

    

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『デート~恋とはどんなものかしら~』(2015年1月~3月フジテレビ系放映) 

 が大好きで、『リーガルハイ』シリーズ(2012~2013年フジテレビ系放映)

 や去年の『逃げるは恥だが役に立つ』の新垣結衣ちゃん(29歳)も好きなので、『デート』、『リーガルハイ』シリーズの脚本家、古沢良太さん(44歳)と『リーガルハイ』シリーズの監督、石川淳一さん(45歳)、プロデューサー、成河広明さん、そして新垣結衣ちゃんの名コンビで作ったラブコメディという事で非常に楽しみにして観に行ったら、そんなに面白く楽しくなかった。

何故だろう、『リーガルハイ』の古美門研介や『デート』の藪下依子、谷口巧カップルみたいな凄い迫力の変人が主役じゃないから?

コメディの面白さって何だろうな……

それぞれの好みで”面白い”も違うんだろうけど

美男美女カップルの都会的でおしゃれなラブコメが好きな方もいれば、

ファレリー兄弟が作っていたおバカさん達のナンセンスコメディ(『ダム&ダマー』1995年日本公開、や『メリーに首ったけ』1999年日本公開)とか『ハングオーバー』(日本では当初、劇場未公開予定だったが、この作品のファン達の強い要望により2010年劇場公開にこぎつけた)みたいな大笑いさせてくれるタイプのコメディが好きな人。(これ、私のことです。だから多分少数派だろうな)

TVの深夜帯でやってるような、ゆるくてオフビートなコメディドラマが好きな方とか。

ただ、コメディの良し悪しに大きな影響を与えるのは「アイデア!」どれくらい新鮮か、逆転の発想か。何年たっても、みんなに愛されてるコメディはそこが他とは違うと思います。『ホーム・アローン』シリーズしかり、『ベイビー・トーク』シリーズしかり。『ホーム・アローン』なんて、柳の下のドジョウ狙いで5作目まで作られたそうです。

私が大好きだった『リーガルハイ』も『デート』も登場人物のキャラが逆転の発想だから、あんなに面白くて魅力的で、勢いがあったんだろうなー!と思います。

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  一気に杏さん(31歳)のファンになった『デート』

 

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「正義は金で買える。金を持ってこい!」

                    

 

釣りバカ日誌』シリーズも漫画の映画化ですが、やはりアイデアの匠さで楽しませてくれますしね。趣味と家庭だけを大事に生きている窓際社員のハマちゃんとその勤務先の大社長のスーさんが友達なんですから。

又、主役の、ギャグ担当の人がどれだけとぼけた味がだせるか、愛されるキャラクターであるか、も大きいだろうなと思います。  

私は”寅さん”シリーズは、若い時は見向きもしなかったのですが、中年になってから、これってコメディのお手本のような作品だなーと悟りました。

寅さんの、立ってるだけで笑みがこぼれてくるような風貌はもちろん、この『男はつらいよ』の魅力って、面白さだけじゃないです、あのいい加減な風来坊の寅さんが、度々、みんなが気がついてない、又は臭いものに蓋をしてる”真実”を言うんですよね。しかも、金言を言う時は、あのふざけた風体なのに”ですます調”で丁寧に言うんですよ。だから、よけいに響くんですよね。

イデアも大事、愛されるキャラクターも大事、人生の真実や感動も大事って事でしょうか、コメディ映画って、作るのが一番むずかしいジャンルかもしれないですね。 

 

 

         

 

 

この人にあの役をやってほしい 女優編

トップバッターはこの人! 

女が惚れる女、ケイト・マッキノン(33歳)

 

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もうたまんないです! 

 

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ゴーストバスターズ 』(2016年)の素粒子物理学者、メカや装備開発の天才、ジリアン・ホルツマン。

かっこよくて、面白くて、ノリがよくて、ちょっと変人で。私、この人の魅力にメロメロになっちゃいました。自分てレズビアンなんだろうかと真剣に考えちゃいました。(本人もレズビアンだし)

面白いのは『サタデー・ナイト・ライブ』のメインキャスターをするコメディエンヌだからというのが大きいでしょうが、このカッコよさ、『ゴーストバスターズ』で銃をなめる所のあの決め顔!レズビアンじゃなくても撃ち抜かれてしまいます。

で、この人のカッコ良さをもっと堪能したいと思ったら、

インディ・ジョーンズ』の女版をやってもらうのが一番でしょうと……

その場合、美しくて、クールで異性にモテモテっていうステレオタイプの冒険ヒーローはいらない、都合のいいラブアフェアとか、全然なくていい、『ゴーストバスターズ』のホルツマンみたいな、「中身は小学生男子+ メカの天才+大胆過激+変人」という今までなかった新鮮なキャラクターの女性ヒーローを見せて欲しい!

 『ゴーストバスターズ』で見るかぎりではアクション演技をするには身軽さが足りないとは思われるも、あのアクションコメディにちょうどいいカッコよさは埋もれさせてはもったいないと思います。

 

 

 シャーリーズ・セロン(42歳)

 『アトミック・ブロンド』(10月日本公開)の予告編を見ていて思ったこと。

あのフェリオサ様を見た後では、シャーリーズ・セロンが普通のアクションヒロインやってても、もはや当たり前すぎて驚かないや! って思いませんか?

彼女がこの先、世界を驚かす為には”壊れた人間兵器リッグス”になってもらうしかない!

『リーサルウェポン』シリーズのリッグスをあのメル・ギブソン(現在61歳)と同じテンションで壊れる事ができるアクション女優はこの人しかいないでしょう……

相棒は、TVドラマや映画で見てると、米国の警察組織って女性同士がバディを組む事はあまりなさそうなので、非現実的にならないように、黒人の男優さんの誰かで、かつ、今はやりの(流行ってるんだろうか?)ゲイで。

 

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こんな顔もしてくれる女優さん(しかも美女)、いないですよね。 

 

  

 ノオミ・ラパス(37歳)

 

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スウェーデンのベストセラー小説を映画化した『ミレニアム』シリーズのリスベットの彼女は本当に鮮烈でしたね。2009年当時はまだ、女優がアクションをする時は、ただ綺麗でカッコよければ良かった、それ以上の過激な事は見る方も作る方も望んでなかったように思います。北欧の国の映画界以外では……そんな時登場したスウェーデンデンマーク、ドイツ制作のこのアクションサスペンス映画。ドラゴンの入れ墨、鼻ピアスに片側ツーブロックのショートカットの過激すぎるヒロインは全世界をあっと言わせ、映画の母国ハリウッドをも焦らせたと思います。

 

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その後、『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』(2012年日本公開)や『プロメテウス』(2012年日本公開)等でエキセントリックでない普通で知的な女性役も定着し、今や第2のブルース・ウイリス(62歳)みたいな存在になってます。10/21公開の『セブン・シスターズ』でも、ダイハードばりの”汚れもいっぱい”アクションヒロインを演じてます。

同日公開の『アトミック・ブロンド』のシャーリーズ・セロンとは”アクションもできる女優”同士、双極をなしてると思うのですが、この人とシャーリーズ・セロンとの違いは、容姿の差以外に、この人は痛めつけられるのが凄く似合っちゃう、というのがあります。(個人的意見です)

そんなこの人がやったら面白そうだな、と勝手に想像して楽しんでるのが『ジュラシックワールド』続編で、ライフルを担いで、恐竜に追い回されて、血だらけ、泥だらけになりながら恐竜と戦う学者。女度0で。

もちろん、来年の夏公開予定の続編『ジュラシックワールド フォールンキングダム』はクリス・プラットとB・D・ハワードが主演で学者枠は白髪のジェフ・ゴールドブラム(もう64歳)で1作目よりダークな内容になる、という事実はおいといて……

ジュラシックワールド』は3作目まで作るそうなので、3作目の脇役くらいで、この骨太アクション女優を痛めつけて欲しい……素人が何を意味不明なことを言ってるんでしょうねって感じですが(笑)

 

 

エレン・ペイジ(30歳)

 

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実話を元にしたこの映画『ハンズ・オブ・ラブ』(2016年日本公開)で左側のジュリアン・ムーア(56歳)とレズビアンの恋人同士を演じてます。実際もレズビアンだそうで、この作品の中でも、化粧っけなしの、ボーイッシュでめちゃくちゃキュートなレズビアンの女の子を演じていて、『ジュノ』(2008年日本公開)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた演技力によるのか、彼女自身を投影してる役柄のせいなのか、非常に繊細で説得力ある演技でした。

 

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で、あまりにキュートで繊細で同性として大好きになってしまったので、この人が、かって女性に絶大な支持を得たラブストーリーのヒロインを情感たっぷりに演じるのを見てみたくなっちゃいました。 

ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年 日本公開)のヒロイン 

 デミ・ムーア(当時は28歳)の演じた陶芸家のモリーです。

この作品は27年前の公開なので、この記事を読んでくださってる方の中には知らない方もいらっしゃるかと思います、全世界でヒットし、ウーピー・ゴールドバーグ(当時35歳)がアカデミー助演女優賞を受賞、又アカデミー脚本賞も取っているラブストーリーの良作ですが、この作品の最も魅力なのが、恋人同士のデミ・ムーアパトリック・スウェイジ(当時38歳、2009年没)のラブシーンで流れるライチャス・ブラザーズの『アンチェインド・メロディ』で、全世界の女性の心をわし掴みにしたその曲入りで紹介します。

 


Ghost - Unchained Melody (Righteous Brothers) Legendado em PT- BR

 

 

 相変わらず言いたい放題な記事書いてますが、読んでくださった方、ありがとうございます。この記事に載せた女優さんはみんな大好きな方々ですが、もっとDEEPなファンの方で「いや、この人はこういうのが合うんだよ」みたいな意見をコメントして下さる方がいたら、是非、肯定でも否定でも、どんなコメントでもいただけたら嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなところにカメレオン ブレイク寸前!ジョエル・エドガートン

 

※『ザ・ギフト』『ミッドナイト・スペシャル』のネタばれ少しあります。

 

私はカメレオン俳優が大好きなんですが、その私が今まで全く気がつかなかったカメレオンがいました。オーストラリア出身、43歳のジョエル・エドガートンです。

 

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私だけでなく世間でも知名度が低いようで、”オーストラリア出身俳優”で検索をかけても、見た事のない人の写真も大量にある中で…記載されてません。

でも、ちょっと洋画に詳しい人なら、きっと見てるんですよ、例えば

 

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 (『エクソダス 神と王』2015年日本公開)

      このエジプト王ラムセスとか

 

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 (『ザ・ギフト』2016年日本公開  監督も脚本も制作も本人がやってます)

 この非リアの、可哀想で、でも復讐の仕方がキモイいじめられっ子とか

  

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 出典: www.enzasbargains.com

(『ラビング 愛という名前のふたり』2017年日本公開)

ゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞にノミネートされた演技力に納得です。

 

私は三作品全部観てますが、先週までこの三種類の男達が同一人物だという事を知りませんでした。もちろん、私が間抜けすぎる事もありますが、それにしても、あの絶対的権力の頂点に君臨していた王様と『ザ・ギフト』のかわいそうな非リア男が同じ人とは……

更に、同じ監督が撮った人間ドラマ『ラビング』とSFアクション物『ミッドナイト・スペシャル』(2016年アメリカ制作 日本劇場未公開)では同じ髪型、同じような服装なのに、雰囲気が全然違うんです。

 

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 凄いなぁ…ロバート・デ・ニーロでも姿形が同じだと、”別人感” はないからなぁ。

 

そんな演技力が評価されてか、これから公開予定の二作品では、メジャー映画の準主役に大出世してます。(メジャー映画で悪役じゃなくて、”いい人”役で準主役なのは初めて)

 


Red Sparrow Official Trailer HD 20th Century FOX

 

『Red Sparrow』(2018年 米国公開予定)では、ロシアのスパイと恋に落ちるCIA諜報員 役で、ジェニファー・ローレンスと恋人役ですよ!

私の勝手な想像ですが、こんなメジャー級の映画で、ジェニファーの相手役に渋くてかっこよくてスパイが似合う男優をキャスティングしようとしたら、まずトム・ハーディ(40歳)あたりに話が行くと思うのですが、又はオーディションするとしても、顔の知れた人がジャンジャン集まったでしょうに、それを蹴落としてこの役をもらったとしたら、二枚目でカメレオンという唯一無二のポジションにいたトム・ハーディもうかうかしてられないぞって感じだな、と思います。

しかもカメレオンぶりがトム・ハーディより幅広くて、『ブライト』では怪物の役ですからね。

 

『ブライト』 Netflix製作、12月22日~全世界同時配信。

       監督: デビッド・エアー(スーサイド・スクワッドの監督です)

       主演: ウイル・スミス(49歳) 

 


Bright 2017 (Official Netflix Trailer HD)

 

以前も書きましたが、Netflix, ほんとにいい仕事してるなー!と思います。

この映画も『スーサイド・スクワッド』を撮る時は色々制約があって、自分色を薄められちゃったデビッド・エアー監督が、自由に撮らせてくれるってんで大喜びして作ったそうです。

 

 

おまけ

  『ミッドナイト・スペシャル』良かったです。

良かったところ

1 最近の流れの「異星人vs地球人のはでな戦い」の映画に食傷気味の私には、異星人(又は違う次元に存在する生物)を自然に受け入れる、共存する(息子を託す)普通の善良な人達や、NSAの頭脳明晰なだけでなく、人間としての聡明さも備わっている研究員等の登場人物がすごく新鮮で好感度大でした。

2 この監督、ジェフ・ニコルズ(38歳)の芸風だと思うけど、7割くらいしか情報を出してくれない、後は自分で想像してねっていうのが程よく寡黙で、最近のSF冒険物やアクション物において、解りやすくて、感動しやすいものを!という潮流と一線を画していて魅力です。 

 

Netflixが蘇らせたポン・ジュノ節(3)

Netflix、いい仕事してますね。

今年アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊』も制作してますし、アンジェリーナ・ジョリー監督がカンボジアポルポト政権下の悲劇を描いた『最初に父が殺された』も、9/15から全世界同時配信されてます。
www.cinematoday.jp

 

Netflixの広報は

「190か国での視聴」「5年後の視聴に耐えうること」などを重視してるので見た目の派手さより「何が撮りたいのか」という作家性が大事

  引用元: YAHOO!JAPAN ニュース 

と、これからも媚びを売らない一本筋の通ったやり方で貢献してくれそうです。

 

Amazonビデオも負けてませんよ!

なんと『007』の配給権を狙ってるそうです。

それに現時点で、日本ではAmazonビデオの映画配信数のほうがNetflix より多くて、マイナーな映画でもほとんどの映画を観れるので、便利です。

 

oriver.style

 

田舎暮らしの民はこのネット配信の躍進、そしてインターネットそのものに電気の発明時と同じ位の恩恵を受けてると思います。

ただ、電気使用量はどんどん増大し、自然環境はどんどん破壊され、私たちは自分で自分の首をしめるんでしょう。

 

 

 

Netflixが蘇らせたポン・ジュノ節 (2)

 ※この記事は『オクジャ』のネタばれを含みます。

 

 

 

 

『オクジャ』のあらすじ

米国の多国籍企業ミランド社の新CEO、ルーシー・ミランドが遺伝子組み換えで生み出したスーパーピッグをチリの農場で見つかった奇跡の豚ということにして、糞も餌も少なく、環境にやさしい、食べて美味しい等いい事ばかりの宣伝文句で紹介し、世界各地の26の養豚家(又は農家?)にその子ブタを託し、育てさせ、十年後、その中で一番大きく美しいスーパーピッグをニューヨークのステージでお披露目するというコンペの企画を発表した。

韓国の山奥で祖父がその一匹の雌豚、オクジャを育てるのと同時に育ち、友達又は姉妹同然になっていたミジャの元からある日突然、スーパーピッグの中で最も優秀と判断されたオクジャが連れ去られた。ソウルにあるミランド社の支店、ゆくゆくは米国のミランダ社の地下研究所 に運ばれるのを阻止し、オクジャを自分の元に取り戻すため、少女の果敢な冒険の旅が始まる。

ソウルでミランド社の輸送車からオクジャを逃そうと奮闘してるときに、ALF(Animal Liberation Front-実際に存在する動物の権利を提唱する過激派組織)のメンバー5人が現れ、オクジャを逃がすのを手伝ってくれるが、彼らもまた自分達の目的を遂げるためにオクジャを利用しようとしてるのだった。

というような序盤からミジャ、オクジャ、ALFメンバー、動物学者、ルーシーやミランド社経営陣らが入り混じって、ニューヨークの町や食肉工場で風刺と、アクション、そして人間ドラマが(豚の哀しい親子愛も)展開します。 

 

 感想

何が面白いかって、ミジャとオクジャ以外の登場人物がみんな一筋縄ではいかない人達ばかり……ティルダ・スイントン(56歳)演じるルーシーは業績と利益が最優先な資本主義の権化みたいになってるし、(この人、金持ちの腐った豚をやらせたら右に出るものはいないんじゃ、と思う。『スノーピアサー』に続いて、憎らしい特権階級がほんとに板についてます。社会風刺が好きなジュノ監督にとってなくてはならない女優さんなんでしょう)

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楽しませつつ、ちゃんと一本筋が通っていて、考えさせられる作品ですが、作品のメッセージ性が押しつけがましくないのは、役者さんたちがジュノ監督のティストを最大限に生かせる、どこか滑稽な味が出せる人達ばかりだから、だと思います。

その滑稽さの主役を担ってるのが、ジェイク・ギレンホール(36歳)が怪演してる動物学者 ウイルコックス博士です。

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そしてジュノ監督のオシャレな皮肉のパートを担当してるのが、ALFです。

「 暴力は嫌い」「誰も傷つけない」がモットーのALFと自慢するくせに、ALFの規則を破ったメンバーにリーダーのジェイが殴る蹴るの制裁をするところや、暴力を全否定していても目出し帽をかぶり、企業の商品を強奪して逃げるところなんが犯罪者集団にしか見えないし。

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もう、とにかく人間が人間臭くて、それだけでも私は大好物なんですが、それだけでない骨太の作品です。映画を見て、学ぶ、考える、という事ができる、心の栄養になる作品です。

   クレジットの後の映像もユーモアたっぷりでバカ笑いしてしまいました

 

 

※ 個人的に最高だったこと  

  ALFのリーダー、ジェイ役のポール・ダノ(33歳)

  男らしさやセクシーさを強調したがるハリウッドアクターの中で真逆の道を行く人

 

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このオスの匂いが全くしない中性さ

 この人がALFのリーダーをやってるんだが、動物を虐待や不当な扱いから助ける団体のリーダーというのが、イメージにピッタリで、この役で観れるだけで眼福でした。

    

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Netflixが蘇らせたポン・ジュノ節(1)

動画配信サービス Netflixの今夏イチ押しの2作品、『ヒットマンボディガード』と『オクジャ』を観ました。

前者は8/17に公開されるや、米国Box Officeで興収成績が3週連続トップ1だった最新ヒット作で、「キングスマン:ゴールデンサークル』(2018年1月日本公開予定)や『アトミック・ブロンド』(10月公開予定)もこうだったらなーと思いながら楽しみました。 

『オクジャ』は劇場公開されないのがもったいないような名作だったので、少し熱く語りたいと思います。

 何故、日本では劇場公開されないかというと、Netflixでネット配信されるからで、逆に『ヒットマンズボディーガード』は米国ではネット配信されてません。劇場公開と同時にネット配信を始めるというNetflixの主義が劇場興行主達を怒らせ、フランスで、そして韓国国内でさえ、映画館の98%に上映を拒否されています。

 

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        ポン・ジュノ監督(48歳)

 

 ポン・ジュノといえば、人間を面白おかしく、時に哀しく描く名監督ですよね

殺人の追憶』(2004年日本公開)も『グエムル』(2006年日本公開)も『母なる証明』(2009年日本公開)も "生身の人間” を描いていて、観終った後、暫く余韻に浸らされる、浸らせてくれる人です。でも、欧米のキャストで英語版で作った『スノーピアサー』(2014年日本公開)は大作感はあるものの、個人的には、ハリウッドが作るごろごろあるアクション映画の一つ程度の印象しかありませんでした。

社会風刺はたっぷりだし、分かりやすくて面白いんだけど……何だろう、彼独特の上手な"毒"がないのだ。そう、この人の作品の面白さ、"毒"、そして観終わった後考え込んでしまうメッセージ性。それが戻ってきました。Netflixがジュノ監督に60億渡し、「100%自由に作っていいよ」と言われて作った『オクジャ』です。

「内容も編集にも一切口出ししない」と言われたそうです。風刺や皮肉精神たっぷりの監督にとってこんな幸せな環境ないですよね。

この作品中の重要なシーン、豚のとさつ場面を撮る、と言ったら米国内の幾つかのスタジオで断られたそうです。残酷なシーンを見た観客に食肉業界のマイナスのイメージが広がるのを恐れて、食肉業界が圧力をかけたか、スタジオ側が食肉業界に対し"忖度”したか……それでなくてもこの作品の中のミランドという米国の企業は遺伝子組み換え農作物種子を大量に売り、大儲けしているグローバル企業、モンサントを皮肉ってるともとれるのだから。

でもそんな逆風があっても内容に一切口出しされないのですから、生き生きつくれちゃいますよね。※プランBエンターテインメントが制作に関わってるのもそれを後押ししてるのでしょうね。

ブラッド・ピットが代表を務める映画制作会社。  

 成績より作品の質や作家性を重視する。 

 

『オクジャ』のあらすじと感想は(2)に続きます。 

 

ガル・ガドットというスター誕生で思った日本とアメリカの違い (3)

ハリウッドでは、ステイタスのある俳優や監督が自分の主演用やお気にいり俳優の主演を念頭に企画する作品もありますが、制作費の規模が大きい作品は大きければ大きい程オーディションを重要視してるみたいです。

世界興行成績No.1の『アバター』もNo.3の『スターウォーズ  フォースの覚醒』も主要キャストをオーディションで決めてます。

60年前でさえオーディションの習慣があり、『ローマの休日』(1953年米国公開)で発掘されたオードリー・ヘップバーンは今でも永遠のスターです。

全ての人にチャンスを与え、徹底的に理想のキャストを吟味する、その妥協のなさが常に世界中の映画ファンに高レベルの作品を供給し続けられる要因ではないでしょうか。

一方、日本は、逆に大作になればなるほど、オーディションなし、莫大な制作費を回収するために、ヒットさせなければならない、その為に最初から有名な俳優やジャ二ーズタレントの起用が当たり前。又はジャ二ーズ事務所のような強力な芸能プロダクションが制作にかかわるので、そこの俳優の起用が絶対条件……ハリウッドのように誰にでも公平にチャンスを、という思想は全くないみたいです。

だから原作物を映画化した時、原作ファンにとってキャストが「これじゃない感」ハンパなかったり、し烈なオーディションを戦ってない人が主役をやるので原作に比べて凄くチープな感じの映画になってしまってるの、多いと思います。

と、いきまいてますが、日本とハリウッドでは、資本や活力の大きさも違うし、仕方ないんでしょうね。それに『忍びの国』も『関ヶ原』も大ヒットしてますから私みたいのは凄い少数派なんだろうな、と思います。もしや日本で一人だけだったら………どうしよう 、私、社会不適合者って事になるのか……

まあ、大丈夫でしょう、みんなと同じように『ワンダーウーマン』に感動できたし、ガル・ガドットも好きだし……

A-LIST俳優になったガルはこの先、アクションスター界のオードリー・ヘップバーンみたいになっていきそうだけど、2014年に、イスラエル軍によるパレスチナでの虐殺を支持する発言をフェイスブックにあげた事が話題になり、万人に愛される美女というイメージが、どれ程影響を受けるのか、シャーリーズ・セロンみたいなシリアス物もできる女優になるのか、これからがこの人の正念場ではないだろうか、と思う。

 

※ガルが今の中東紛争で多大の犠牲者を出しているイスラエル軍を100%支持する意志を公にしてる事が波紋をよんでいる、という記事。

news.yahoo.co.jp、