映画についてのよけいな事 

練りきり作りましょう!

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3』はもう、作らないで欲しい

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

 Vol.1&Vol.2

マイティ・ソー

 シリーズ

 

のネタバレがあります。

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 幸せMaxだった時のガンプラジェームズ・ガンクリス・プラット

 

 二日前、世界を震撼させるニュースが伝わってきました。

ジェームズ・ガン監督(51歳)がガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3』の監督を降板するという。

トランプや親トランプ族の右翼的思想への批判をするガン監督を目の上のたんこぶのように思っていた右派の人々との確執がウォルトディズニーからの解雇にまで発展してしまったのです。

最近、マーク・デュプラス監督(41歳)とトランプ支持派のコメンテーター、ベン・シャピロ氏(34歳)との間に起きたいざこざに、反トランプ派のガン監督が、デュプラス監督の擁護をしようとして、シャビロ氏へのきつーい批判ツイートを投稿した事への報復として、オルタナ右翼でトランプ派のニュースサイト『The Daily Caller』の中や、同じく親トランプのコメンテーター、ジャック・ボソビエック氏によって、自身の10年前の反社会的なツイッターを掘り起こされ、公開されてしまい、その影響の大きさに危機感を覚えたウォルトディズニーの会長が、

ジェームズ・ガン監督とのこれ以後のビジネス契約は破棄する」

と宣告。つまり、ディズニーを解雇されたというわけです。ガン監督はMCU(マーベルシネマテックユニバース)のメンバー(?)なので、その親会社のディズニーから契約破棄されたら、たとえ、MCUの天才社長で、これから先のMCU作品のプロデュースをガン監督と一緒にやっていくつもりだったケヴィン・ファイギ氏(45歳)でも、どうする事もできなかったんだろうな、と思います。

その10年前投稿してた問題のツイートを見て、いくつかをのせてみました。

かなり酷い、悪くてちっとも笑えないジョークばかりですが、ガン監督はMCUガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(以後『GotG』と略します)の監督の契約を結んだ時に、それらの愚かで反社会的なコメントについて正式に謝罪しています。

 (この報道は間違いで、不適切ツイートに関しては謝罪してないそうです。

        8/1  加筆)

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出典:James Gunn @JamesGunn

 

 

ディズニーランドキャラクターの中で誰にレイプされたら最悪か?

なんて書いた文章公開されちゃったら、ディズニーの会長としては、我が社の価値観と相いれないと思うのは当然だし、やたら、レイプ、レイプって、でてきて、思いっきり危ない社会不適合者みたいだし、小さい男の子に触って欲しい!とか、アメリカで最も社会的制裁を受ける小児性愛者みたいな事言ってるし……

でもさ、法的に、実刑を受けるような事は何もしてないんだよね、MCUしいてはディズニー作品の『アイアンマン』シリーズの主役のロバート・ダウニーJr.(53歳)みたいに薬物で1年間刑務所に入ったわけでもない。

それで、ガン監督のファンは、思っちゃうんだよ、今、10年前の不適切ツイートで彼を首にするなら、ディズニーがMCUを買収した時に、なぜ、ロバート・ダウニーJr.を首にしなかったの?って。

ただ、ガン監督は、自分が、MCUに雇われた時、メジャーになれるビックチャンスを貰った時、将来、自分の足を引っ張る可能性大なこれらのツイートを何故、消去しなかったんだんだろう?そこはネットを使いこなしきってる筈の彼にしては、理解に苦しむ愚かさを感じる。

問題ツイッターが、発覚後、1000位のツイッターを削除したそうなので、問題ツイッターが余りに多すぎて、念の為に削除しとくのが、めんどくさかったんだろうか?

最近の米国では、ツイッターは銃と同じ位、怖いって事は分かっていただろうに……

今、米国では(というより、世界的にかな)有名人によるツイッターの失態は、法的制裁と同じ位重いらしい。

ディズニーは5月に傘下のABCテレビで、人気コメディドラマの主役をしてたロザンヌ・バー(65歳)が、ツイッターで人種差別的発言をしたのを受けて、その人気ドラマを打ち切りにしちゃったそうだ、その上、彼女は所属プロダクションからも解雇されたんだと。この人はトランプ大統領の熱烈支持者だったそうだから、トランプ側の人々からしたら、今回のガン監督を追放させる作戦は、本当に報復目的があったのかもしれない。

何か、こんな事の繰り返ししてたら、ショービジネス界の人は、みんなビクビクして、品行方正で、本音は言わない人ばかりになってしまうんじゃないのだろうか?豪胆、毒舌、チョイ悪な人はいなくなっちゃうんじゃないだろうか?北野武監督みたいな面白くて魅力的な人が。

クリプラも以前、出演していたTVドラマ「パークス&レクリエーション」の内容を面白くする為に、

「かってに、パンツを脱いで画面に写ってしまい、その局の上層部の人に大目玉食らった」

って話してて、そういう所が魅力なのに、これからはそういう危ない事は絶対やってくれないだろう。

クリプラじゃなくてもやる人はいないだろう。

 

それに、過去の罪って、どこから許してもらえないの?どこまでなら許してもらえるの?

ガン監督の「昔はすごいワルでした。でも、今は改心していい人間になれるようにがんばってます」っていうのがメディアやSNSで見る彼の態度に表れてると思うのです。

そして、一番それを感じるのは『GotG』シリーズの中です。

『GotG』で、ロナンから攻撃され滅ぼされようとしているザンダー星の人々を助ける為に、「みんなで戦おう」と、仲間を説得するときのスター・ロードのセリフ

「今の俺たちは負け犬だ。色んなものを失ってきた。でも今日は失わない。今日人生はチャンスをくれた。人助けだ」

というセリフや、

『GotGVol.2』のラストで、いつも毒舌で喧嘩ごしで、仲間に迷惑かけるような盗みもしたロケットが、自分の行いや性格を反省して、仲間に謝るシーンのロケットの目から流れる涙とか。

私はガン監督にあの過去がなかったら、『GotG』シリーズがこんなに愛される作品にはならなかったと思います。

そして映画『GotG』シリーズ=ジェームズ・ガンなのです。

だから、自身が犯した致命的不注意のせいとはいえ、映画『GotG』にかかわれなくなるのは本当に悔しいだろうと思う。体の半分をもぎ取られたような気持ちなのでは?と思う。

『GotG』ファンもそうです。「Marvel:REHIRE JAMES GUNN」の署名が今、14万人を超えてます。見ていると、一秒間に2つも3つもカウントが増えていきます。

これが50万人位いったら、ディズニーも分かってくれるだろうか、

ガン監督が、自身の過去を悔い改め、変わる事の大事さを全力で投影した作品が、世界中のどれほどの人に元気を与えたか、どれほどの人の支えになっていたか、エンターテインメントを生業とする企業なら、自社のイメージの防衛よりも、まず、先にそこに目を向けるべきなんじゃないだろうか。

ちなみに、もし、私に小さな孫や子どもがいたとして、ジプリとか、ディズ二ーの作品で、子どもが見たがった映画や子どもと見たい作品があったとする。

それを作ったのが、ガン監督のような人だったら、見に行くか迷うかもしれないけど、ガン監督みたいな人がジプリやディズニーで他の作品を作っていても、自分が子どもと見たい作品には全く関わってなくて、その作品自体が、子どもにとっても、自分にとっても、素晴らしい作品なら、何も気にならず見に行って、大絶賛すると思う。

 

 

すでにガン監督による『GotGVol.3』の脚本は完成して、秋から撮影に入る予定だったそうですが、もし、その脚本も廃棄して、完全に別の『GotG』を作ろうとするなら、クリス・プラット(39歳)は出演を断って欲しい。突然大出世しちゃった後、家庭よりも、スター俳優としてのキャリアを優先した俗物のクリプラが世界のディズニーにたてつけるとは思わないけれど。

 

以下(     )内を8/1に加筆

 

  (いや、たてつきましたね。7/30発表した他キャストとの共同声明を張り付けたツイートで、はっきりと「個人的にはジェームズ・ガンの撮るGotGVol.3が観たい」と。これは、デイズニーへのソフトな非従順で、又、ペドフィリア(小児性愛者)というだけで、加害者にならなくても、強盗や殺人者と同等に扱われるらしい米国の世論や、今までの彼のファンからも大不評を買ってるようですが、社会的地位やキャリアを失う危険を承知でガン監督を支持するという"男の中の男 クリプラ"でした。すみません、私が間違ってました。クリプラ、大好きになりました更に惚れました。この件で彼のファンが減り、作品の興好成績が落ちて、ハリウッドでの今の地位を失う事があっても、私は彼を全力で応援します。日本で公開される彼の映画は十回以上観に行こうと思います。そんな事しかできないけれど)

 

今のクリプラがあるのは、ディズニーの会長のおかげではないですし。

絶妙なセンスでクリプラ=スター・ロードとひらめいて、ガン監督に彼を会わせたMCUのキャスティングディレクター、サラ・フリンと、まだ、デブで知名度も低かったクリプラをマーベルのコメディアクション映画の主役に大抜擢したガン監督と、その危ない賭けを支持してくれたケヴィン・ファイギ社長、この3人には、足を向けて寝れないでしよう、クリプラ。

 

ガン監督の弟のショーン・ガン(44歳 クラグリン役と撮影現場のロケット役)が、この人は普段から、SNSでユーモア溢れるお洒落なコメントを見せてくれるんですが、今回の騒動について、冷静に、誠実に、兄の気持ちも、そしてGotGファンの気持ちも、すべて汲んでくれてる素晴らしいコメントを投稿しています。

泣きそうになってしまう素晴らしいコメントです。

 

「僕が兄のジェームズを愛し、支持していることは言うまでもありませんよね。彼は友人であれ家族であれ仕事仲間であれ、ファンであれ、赤の他人に対しても親切で、寛大で、思いやりを持っている。僕はそんなところが誇らしい。

子供の頃から、彼は将来アーティストとなり、ストーリーを語り、コミックや映画、バンドを通じて自分の声を届けたいという情熱がありました(きっと運命でした)。その声を届けることに、時には不器用で、間違っていて、バカをやってしまって苦しむこともありました。時には、ワンダフルで、感動的で、陽気なこともありました。

彼が自分の全人生を映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とMCUに費やすようになったのが6年前。映画の仕事を通じて、人にショックを与えるような人間がどんどん変わっていくのを、僕は見ていました。

僕は、大衆に向けて”角が取れて丸くなる”ことを懸念していた彼が変わっていくのを直接見ていました。”角”って、思っていたほど便利なものじゃなかったんだと気付いていったのです。こうして彼のストーリーテリングは、より良くなっていきました。僕は、不快で攻撃的なジョークで人を怒らせてばかりだった男が、心を開いていく様を見ていました。

多くの点で、彼に訪れた変化は、ガーディアンズに訪れた変化として反映されました。彼は、よくこう言っていました。ピーター・クイルがチームのみんなを”これは俺たちがやってのけるチャンスだ”と鼓舞するのは、自分自身に言い聞かせていたんだよ、って。

これは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のキャストたちが報われる経験のひとつでした。僕も含めてね。僕達は、大予算のスーパーヒーロー映画に加わっていましたが、あの映画の真髄は極めてパーソナルなものでした。授かり物のようでした。それこそ、あの映画が素晴らしい理由です。

まぁ、これは新しい情報ではないですね。ジェームズがこれまで何度も、インタビューでもっと詳しく雄弁に答えていたことです。新たな解釈ではないですね。常に物語の中にあったものです。

僕は、ファンの皆さんにはこれからも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観て、楽しんでいただきたいと思います。製作者がかつて馬鹿野郎だったということは事実ですし、その事実を理由として。どこまでいってもこの映画は、自分自身の長所を見出す物語なのです。

この映画を通じて、兄はより良い人間に成長しました。僕自身も成長させてくれました。それが誇りです。」

出典:THE RIVER 

 

 

それにしても、ガン監督が作らない『GotGVol.3』はどうなってしまうんだろう?

脚本を新しく別の人に書かせて、監督には、マイティ・ソーシリーズのコメディ路線変更を大成功させ、MCUファミリーの一員になったタイカ・ワイティティ(42歳)あたりを引っ張ってくる、なんてなったら、最悪です。私は許さない。……こういう事言う人に対してジェームズ・ガンが言ったんですよね

「映画は君の所有物じゃない、嫌なら見るな!」

って。スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年日本公開)に文句を言う過激なスターウォーズファンに対するこのツイートを読んだ時、何という正論!と拍手したくなったけど、まさか、それが自分に帰ってくるとは……

でもさ、『GotG』シリーズが他のアクションコメディと違うのは、面白いだけじゃなくて、感動させてくれる所で、ワイティティ監督は、面白い作品は作るだろうが、ガン監督のように面白くて、かつ感動させてくれる作品を作れるとは思わない。

何故ならワイティティ監督が撮ったマイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年日本公開 脚本:エリック・ピアソン)はソーシリーズの3作目だから、劇中のキャラクターは前2作とつながってなければならないはずなのに、ソーの人生を変えた運命の女性、ジェーンが出てきません。ソーが王位継承権を捨ててまで、愛を貫こうとした女性。、、その人との物語は、ソーというキャラクターの誠実さを表す大事な部分なのにその人が出てこない。出てこない理由が、「別れた」という一言のセリフ でかたずけられています。別れた理由も何も説明されません。ソーが彼女の事を考えたり、思い出して感傷的になっているシーンも全くありません。

脚本家がそう書いたからって、又は、ジェーン役のナタリー・ポートマン(37歳)がスケジュールの都合で出れなかったからって、監督としては、それを、そのままよし!としてはダメでしょう。

ワイティティ監督って1作目、2作目ちゃんと見たんだろうか?と。

1作目から観続けているファンから見たら、この人、面白さだけ追及して、キャラクターへの愛情が全くないと、思われても仕方ないと思います。

ガン監督は『GotG Vol.2』を作るにあたって、一番大事にした事は

「キャラクターの気持ちを丁寧に表現する事」

と言ってました。

だから、私は、この人の作る作品は、ただ、面白いだけでなく、観終わった後、いつまでも心に残るんだと思います。

『GotGVol.1』でのピーター・クイル(スター・ロード)と最強女暗殺者ガモーラの関係性も、最初は、ピーターの事を、「クイル」と苗字で呼んでたガモーラが、辛苦を共にした後、ピーターを信頼し、友情で結ばれた仲になると、「ピーター」と名前で呼ぶようになります。Vol.2では、更に友情が愛情に変わっていく様子を、自然に、全く違和感もご都合主義もない流れで描いてます。

ピーターと義父ヨンドゥとの間柄もそうです。

Vol.1の時から、ヨンドゥがいかにピーターの事を愛してるか、可愛がってるか、をちゃんと見せてくれてます。だから、Vol.2でヨンドゥが、ピーターの為に自分の命を捨てた事に、違和感なくボロボロ泣けるのです。

 

『GotG』シリーズで唯一、キャラクターをご都合主義で描いてる場面。

Vol.1のラスト近くの悪役ロナンとスター・ロードのダンスバトル。まずパワーストーンをつけているロナンが触れただけで、ザンダー星の動植物はすべて消滅するとスター・ロードが説明してたのに、ロナンがザンダー星に降り立っても、人々はみんな生きていた。この時点で、脚本が破綻していると思うのだが、更にその生きている人々が遠まきで見ている中で、スター・ロードがロナンにダンスバトルを仕掛けるのだ。そのあまりにくだらない言動のせいで、ロナンが茫然としている隙にロケットが用意した武器でロナンを撃っちゃうという場面。

冷酷で無敵なはずのロナンが急にすごいお人よしに変わってしまった、大ご都合主義の、一歩間違えると、すべって大失敗になってしまう場面でしたが、クリプラとロナン役のリー・ペイス(39歳)のコメディセンスで、見事なオフビートコメディシーンになった為、ご都合主義を凌駕していました。

この、ドラマ部分は丁寧に、笑わせる部分は徹底的にくだらなく、というさじ加減。これが、GotGの、そして、ガン監督の真骨頂であり、それは、コメディー畑の、他の監督にはまねできない事だと思います。

もし、ガン監督抜きで、『GotGVol.3 』が作られて、面白いだけで、感動できない物になっちゃったら、嫌なので、そうならないようにVol.3はもう、作らないで欲しい。

みんなに愛されてるVol.1Vol.2だけでいい。有終の美を飾って終わりにして欲しい。

「映画は君の所有物じゃない、嫌なら見るな!」

と言われたら、一言も返す言葉がないけれど。